B-bizジャーナル

2024.12.08「南極」ってどんなとこ?

2024年12月8日(日)に、「“南極”ってどんなとこ?」と題して講演会を開催しました!

 今年度から始動した、若手起業家育成支援事業「EntrEX(アントレクス)」の一環で、アントレプレナーシップを育む場として、子どもたちに好奇心を持ってもらえたらと企画しました。

 講師は、第60次南極地域観測隊(100名)に参加した新井啓太さん(神山まるごと高専デザインスタッフ)に務めていただき、南極観測隊として活動した約4か月間を、写真で紹介していただきました。

 新井さんは、これまで出会ってきた方々のつながりもあり、国立極地研究所が募集していた“教員南極派遣プログラム”に応募し、2名の参加枠に選ばれました。
 当時2名の参加枠に選ばれました。理科教員が多い中で、芸術教員が選ばれたことは初めてのことだったそうです。
新井啓太さん
神山まるごと高専デザインスタッフ・第60次南極地域観測隊夏隊同行者
福岡県生まれ、神奈川県育ち。東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。
相模女子大学中学部・高等部では美術教諭を務めるとともにメディア情報部主任を担当、第60次南極地域観測隊夏隊同行者(教員南極派遣プログラム)としても活動。
2022年にドルトン東京学園中等部・高等部で美術科
主任を務め、2023年4月より現職

※教員南極派遣プログラム募集目的
南極での経験を活かした帰国後の授業や、南極・昭和基地から所属校に対して実施する「南極授業(※)」を通じて、国内の小・中・高等学校等の児童生徒に対して、南極に関する理解向上につながる活動をしていただくため。

※南極地域観測は、1955年の閣議決定に基づき、国の事業として実施されています。文部科学大臣を本部長とする南極地域観測統合推進本部の下、多くの省庁や機関がそれぞれの役割を担っています。
https://www.nipr.ac.jp/antarctic/aboutjare/

 

 講演が始まる前に、まずアイスブレイクとして、デザインの教員でもある新井さんからブルーシートを海に見立て、白いボードを南極大陸、白いバッドは何万年も積み重なってできた雪の塊、厚めの紙ボードは降り積もった雪を表現し、その上に参加者が氷を乗せました。

 ここで、「南極は大陸の上に富士山がすっぽり入るほどの高さの氷(氷床)でできているんです。」と聞いて、参加者は驚いていました。

 さらに氷に3色の絵具を垂らし、講演会中に溶けてどのような模様になるか、みんなで想像しながら講演会が始まりました。

 

いざ、未知なる南極の世界へ!!

 観測隊として選ばれた隊員は、登山訓練や現地で何を行うのか参加者それぞれの役割を決める事前研修から始まります。

 その後、多くの方に見送られながら、船旅も含め約4か月の観測業務に向けて出発します。まず難所は、オーストラリアから南極大陸に向かう間の海域。ここは海の流れを遮るものがなく、大きな波によって揺れる船の中では船酔いとの闘いだそうです。

 南極大陸に向かう途中、観測隊の仕事とし海洋観測などがあります。前の隊が仕掛けた調査器具を水揚げして試料を採取し、また器具を仕掛ける作業も重要な任務です。

 「約70年にわたって同じ海上ルートを通る理由が、ここにあります。飛行機で向かう国もありますが、海や地球の経年変化を調査するため、大きな揺れに耐えながら海上ルートを進む必要があるのです。」と語りました。

 

 

 そのほかにも、南極大陸に近づくにつれて目の前に現れる「氷山」、氷を砕きながら進む「砕氷艦」、流氷帯や定着氷、極寒の南極氷床を上空から撮影した写真や、観測隊の活躍、海上自衛隊員が船からパイプを伸ばして燃料を補給する様子など、現地でしか目にすることのできない光景の数々を、たくさんの写真を通してご紹介いただきました。

 

 南極の生き物の追跡調査に参加する中で出会ったのは、やはり南極ならではのペンギンやトウゾクカモメなど、特別な生き物たち。生物調査では、推定”1万年”前のアザラシのミイラが発見されたそうです。その発見時の写真に、皆さん釘付けでした。

 

 様々な任務を分担して実施する観測隊。その中でも新井さんは、次世代を担う小中高校生に向けて南極観測の活動の意義を届ける役を担っています。昭和基地を拠点に各地で活躍するチームを渡り歩き、貴重な体験になったそうです。

 

 南極観測隊は、南極大陸で様々な活動を行い、地球の“今”を調べています。そのため、60年以上前に「南極条約」が定められ、南極はどの国のものでもなく、加盟国同士が協力し合って地球全体の未来をよくするための調査・研究を進めています。

 

 

 この講演日の翌日(2024年12月9日(月))に、南極観測船「しらせ」がオーストラリア(フリーマントル)から南極に向かって出発しました。第66次観測隊がどこにいるのか、何をしているのかホームページで調べてみてください。

 ▪活動ブログ:https://nipr-blog.nipr.ac.jp/jare/jare66/
 ▪活動概要:https://www.nipr.ac.jp/antarctic/jare/outline66.html

 

 以上、みなさんも、いろんなことに興味を持って、調べたり、聞いてみたり、試してみたりしてみてください。 
 ※なお、南極観測隊の隊員は、国立極地研究所HPを窓口に、毎年募集されています。

 

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主催:一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK
お問い合わせ:末﨑・溝邉 050-3131-8002

 

TEL 0977-77-4513
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