「イノベーション創出型ワーケーション」@別府市鉄輪リポート 3泊4日でお仕事×温泉三昧【後編】
目次
【3日目】これぞ別府ワーケーション 温泉→仕事→温泉
ワーケーションもいよいよ終盤戦!前半の様子はコチラからご覧ください。
社会人と学生がじっくり対話 個別セッション
フリースケジュールとなった3日目。心なしか晴れやかな表情で、参加者たちが「a side」に集まります。談笑したり、各自の仕事をしたりと自由に過ごしている様子。
2日目、学生として参加した小林君からオファーがあり、それぞれの社会人たちが個別で話を聞く時間がありました。昨日よりもじっくりと、両者話が進んでいます。学生が求めていることや抱いている疑問を投げかけ、社会人がこれまでに得た知見をもとに具体的なアドバイスをする時間になりました。
疲れたら温泉でリフレッシュ 理想的なワーケーション風景
朝から「鉄輪むし湯」に行って最高だった!とのプレゼンがあり、早速試しに行くメンバーがいたり。
※「鉄輪むし湯」は独特のスタイル。温泉で熱くなった床の上に石菖(せきしょう)という薬草が敷かれた石室に入り、数分寝転がって汗を流します。
「混浴&泥湯が気になる」と連れ立って「温泉保養ランド」へと向かう参加者もいたり。
近所のスーパーで新鮮&リーズナブルなお刺身を購入し食べる参加者がいたり。
「あれ、ワーケーションですよね?」と、おもむろにハイボールを飲み始める参加者がいたり。
タオルを首に巻き、いつでもスグに温泉へ行けるぜスタイルをする参加者がいたり。
おのおのが思い思いに過ごしました。
“別府でワーケーション”の醍醐味を思う存分体感できたのではないでしょうか。温泉に入って汗を流すと頭も体もすっきりクリアになって、かなりの気分転換になるようです!
鉄輪から別府駅周辺へ移動 繁華街で最後の晩餐
メンバーと過ごす最後の夜、鉄輪から飛び出し別府駅周辺の飲み屋街へ繰り出した一同。
絶品の鴨吸いを堪能できる「チョロ松」へ。地元民も全国各地からも人がどっとおしよせる名店で、別府の味を思う存分楽しみました。
2件目はフルーツ盛り盛りのカクテルで大人気のバー「The HELL」へ。
「The HELL」の店主・ケンゾーさん、実は1日目のプログラムに少し参加していました。昼は委託で人事系のお仕事、夜は飲食店の店主さんなんです。
「冷乳果工房 GENOVA」のジェラートも堪能し、最後の夜も思いっきり楽しんだ一同。いよいよ明日は最終日です。
【4日目】最終日 それぞれが実感したワーケーション
APU生・小林さんによるプレゼン&フィードバック
3日目の最初は、積極的に話を聞きにきた大学生・小林さんのプレゼンから。前日に指摘されたことや、もらったアドバイスを受け止め、自分なりに改善しスライドを作成。プレゼンを行います。
・たった1日で随分とまとめてきた
・まだ改善点があるけど、昨日よりもしっかりした案になった
・プレゼンの仕方も練習するといい
社会人からフィードバックを受けた小林さん、「社会人の方に対等に話をしてもらえてよかったです。学生だからとか、年下だからとかで甘やかすのでなく、ビジネス相手として接してもらえたのが嬉しいですね」と、今回の感想を語ってくれました。
今回のワーケーションはどうだった? 参加者みなさんの感想
最後に、今回のワーケーションについての率直な感想をそれぞれの参加者にお話ししていただきました。
KG PLANNING OFFICE 北川雄一郎さん
・産官学の新しいスキームを!と思い付きの赤ちゃん企画から3年。いよいよここからビジネスが誕生?いや生み出すぞ、という高揚感で訪れました。また自身の経験値も学生さんには存分に使ってくれ、と。残念ながらこの瞬間に船出するにはあと2、3歩手前だった印象です。逆に言えば、事前準備にあと2、3歩踏み込んでもお釣りが来るくらいな貴重な機会でした。今回はお互いにとって、決して後退することのない大切な一歩となりました。
・普段、すぐにどこでもイケる・なんでも買えるというような、東京で慣れきっていた便利さから抜け出すことで、“何も(言い過ぎ?)揃っていない”ところから”物事を生み出す瞬発力”への感度が、ムクムクと高まる自分に気づけておもしろかったです。固定観念という鎧の脱ぎ捨て方に、新しいオプションができました。
Plug and Play Japan 李暢(チャン・リー)さん
・学生と会えてよかったです。学生の発想と持っているリソースが独特でした。
・例えばストーリーテリングだけ、企画だけなど、テーマを絞って実施したほうがちゃんとした結果が出そうですね。
アジアクエスト 岩崎友樹さん
・KPIとして、何社ビジネスマッチングに繋がったかを把握したほうがいいと思います。
・地場の若手企業でやったほうが具体的に生まれるものがあるかもしれません。
・ワークショップが印象的でした。出口さんの講演内容もよかったし、衝撃でした。時には斬られることも大事かなと。
・学生にダメ出ししながら、ブーメランになりました。自社にも生きると思いました。
・「ビジネスマッチング」だけ考えると良いかもとも思うが、別府感を出すためにどうするかは課題。
・別府の最上級を味わうモデルコースを準備するといいかもしれません。飲食店や、観光地など。でもみんなで悩む時間も意外と楽しかったです。
凸版印刷 矢尾雅義さん
・流れでフリーになった3日目でワーケーションを実感しました。コンパクトに宿、むし湯、泥湯、を楽しめたので、そこをより深めるとよいかもしれません。
・温泉や食事に一緒に行って、なんとなく気心知れるプロセスと自由なバランスがいいですね。
・特に温泉・蒸し湯がよかった。蒸し湯で頭と体が軽くなりました。磨けば価値になると思います。
・自分の部屋が確保されていて、拠点があっていろいろ行けるのがよかったです。
grooves 田中祐輔さん
・最終日のプレゼン&フィードバックの機会に、小林くんが来てくれてよかったです。
・ハードフィードバックを受けても、何度も食いついてくるスタンスがすごく大事。他2社も来て欲しかった。自ら機会と思ってきてくれてよかったです。
・3日目がワーケーションっぽかった!仕事がはかどりました。
・移動手段など、地域特有の不都合をトピックにすると別府らしいかも。
・バス貸切で連れていかれるより、みんなでガヤガヤと悩む、不便さを楽しむのがよかったです。
・頭がクリアになる温泉も、すぐ帰れる拠点となる湯治宿もよかった。女将さんと喋るのも意外とおもしろかったです。都市部で働く方々
博報堂 栗原清さん
・楽しかった!!
・始めて別府に来て、期待値と不安が入り混じる中、楽しかったです。
・学生にどこまでのものを作るのかをあらかじめ詰めて置いた方がよいかなと思いました。
・ここで知り合った縁をどうつないでいくかを考えたいです。
・参加しないと知り得なかった、ネットワークやコミュニティがありました。参加する時点で意識高い人が集まっているし、いいものが生まれるのでは。どう生かすかもっと工夫できると思います。
・働きすぎて体調を壊していたが、それが温泉でよくなり、個人的にはワーケーションとしてよかったです。宿の24時間の温泉もすごくよかったです。
・今後どう磨いていくか、継続していくか、モデルコースを作るなりしていかなければならない。
三菱総合研究所 笠田伸樹さん
・様々な業界・業種に所属し自律された働き方をしている各メンバーが、日常業務の延長ではなく、別府に引き寄せられてこの地で課題解決に向けて一致協力しました。まさに「自律」「分散」「協調」の場がこのワーケーションであったと思います。
・「イノベーション創出型ワーケーション」という名称と実態が合わない部分もありました。なぜ別府で行うのか?という問いに対して、非日常性を感じられる鉄輪での温泉とワーケションの親和性は十分に体感できました。
・しかし、当初の期待値とのレベルギャップを感じたのが学生起業家の事業アイデアについてです。前さばき、事前のコミュニケーションにもっと時間をかける必要があったと反省しています。
・長さ的には3泊4日という期間はちょうどよかったです。
TOTO 池本拓児さん
・入社5年目くらいの若手社員でワーケーションをして学生とワークショップをするとおもしろそう。その中で経営とは何かをファクトで学び、考えてもらうのもいいかと思いました。しかし、今回のレベル感では少し難しいかなと。
・いろんな人に会い、話しをしてアイデアが出たり刺激を受けたりというのは、来ないとわかりません。なぜ別府かも、来ればわかります。その価値をどう会社に伝えるべきかが課題かなと感じました。
・学生の内山君に高校時代の友人を紹介したり、栗原さんと共通の知り合いもいたりして新たなつながりができ、来た甲斐がありました。
・コミュニティが生まれる場、それをより短期間でできる場。
B-biz LINK(主催者) 池田佳乃子さん
・なぜ別府でやるか、産学官のバランスをどう取るかが課題。
・テーマ設定が難しく、学びが多かったです。チャレンジできてよかった!デスクの上だけでプログラムを組んでもわからないことばかり。実際やってみて、やりながら軌道修正して、実証としては良かったと思います。
まとめ
3泊4日にわたり実施した「イノベーション創出型ワーケーション」。個性豊かなメンバーが一堂に会し、様々な学びや気づきにあふれていました。
今後どのように発展させるか、どんな方向・内容のワーケーションプログラムを創り出すか、別府の特徴や学生との絡みをどう取り入れていくか……。課題は山積みです。
とはいえ、大きな成果もありました。異業種のメンバーが集まり、自然に多くの商談が起こり、現在進行形で話が進んでいます。
また3泊4日寝食を共にして信頼感や親近感が生まれ、一種の連帯感が生まれたようです。東京に帰ってからも連絡を取り合っていますし、すべての参加メンバーが今後も何らかのかたちで別府に関わっていきたい、今回のメンバーと関わっていきたいと述べています。
さらに参加者メンバーが口を揃えて言っていたのは「温泉がイイ!」ということ。別府市が誇る温泉は、仕事で疲れた脳や体をリフレッシュさせるには最適だったようです。
別府ならではのワーケーション。地方創生だけでなく、世界へ羽ばたく事業を生み出すワーケーションとなるには、まだ長い道のりになりそうですね。
まずは一歩を踏み出した新しい試み。今後の展開にご期待ください!
※前半の様子はコチラからご覧ください。